検索と発見のためのデザイン(Search Patterns)

情報アーキテクチャ分野のフロンティアとして有名なPeter Morvilleの著書「検索と発見のためのデザイン(Search Patterns)」を読み終えた。WebデザイナーはもとよりユーザビリティやUX担当、さらにSEO担当者であればぜひ1度は読んでおきたい本である。

検索と発見のためのデザイン(Search Patterns)の中で私が気になった部分を箇条書きで載せておこう。

  • ユーザーは特定の商品をなるべくさっさと見つけたがっているのに対し、 ECサイト運営側はクロスセルの手法で衝動買いを狙って検索結果にノイズを入れ込みたがる。
  • 未来を見るには過去を振り返らねばならない。
  • 検索は、自分の学ぶべきことが見つかるような、反復型のインタラクティブなプロセスである。そこでは答えが質問を変える。プロセスがゴールを動かす。事実上、検索は既に最も影響力のある学習方法の1つになっている。
  • 検索はこれからも言語やコミュニケーションと同じくらいノイズまみれで変則的なままである。
  • 検索結果上位数件はクエリーの再構成に多大な影響を及ぼす。ユーザーは検索キーワードを入力して上位数件の結果を把握してから別のクエリーを試す。検索セッションのうち25~50パーセントはクエリーの再構成を伴う。見つけたものによって探すものが変わるのだ。
  • 外部からのクエリーと、最もよく実行されるサイト内クエリーとを比較するといい。そのサイトにユーザーを導いた検索キーワードと、やってきたユーザーが実行するクエリーには、どんな違いがあるのか?こう問いかけることで、SEOとサイトの情報アーキテクチャの両方を改善して埋めていくべき、マーケティングとデザインの面でのギャップがあらわになることが多い。そのデータはユーザーが用いる語句を教えてくれるが、彼らが何を探しているのか、それが無事見つかったのかは教えてくれない。
  • 検索は、デザインからエンジニアリング、マーケティング、経営に至るまで多くの分野に渡る強調を必要とするので、成功を導くには部門やユニットを超えて参加を呼びかけることが欠かせない。その様な対話はミッションやビジョン、戦略、時間、予算、人員、技術的インフラなどまでカバーすることになる。
彼のその他の著書としては、「Web情報アーキテクチャ―最適なサイト構築のための論理的アプローチ」や「アンビエント・ファインダビリティ ―ウェブ、検索、そしてコミュニケーションをめぐる旅」などがあり、いづれも私に大きく影響を与えた本である。
特にSEOを生業としている方や、インハウスでSEOを担当している方にとっては、後者の第5章「プッシュとプル」は必読である。ぜひ時間の取れる時にお読みいただくことをオススメする。


  

Ref. 本当に知りたい情報が簡単に見つけられるような世の中に

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